存在感抜群のツノダシの飼育方法~混泳、餌付け、価格、ハタタテダイとの違いは?

存在感抜群のツノダシの飼育方法~混泳、餌付け、価格、ハタタテダイとの違いは?


長く伸びた背びれが特徴的なツノダシ。

その名前は背びれがまるで角が出ているかのように見えることに由来しますが、特徴的な体の形と鮮やかな色合いから観賞魚として非常に人気があります。

「鎌」を意味する学名(Zanclus)が付けられているようにシャープでスタイリッシュな体で悠然と泳ぐ姿には、目を見張る美しさがあります。

海水魚のアクアリストならば一度は飼育してみたい魚ですが、飼育の難易度や注意するべきポイントなどは気になるところです。

そこで今回は、ツノダシの飼育方法についてご紹介します。

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ツノダシの生態

ツノダシはインド洋や太平洋の熱帯地域にあるサンゴ礁や岩礁に生息している海水魚です。

幼魚は海流に乗って広い範囲を移動するため、日本でも千葉県南の太平洋側で見られます。
ダイビングを趣味にされている方の中には、海の中で何度か見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

夏場にはしばしば漁獲されることもあり、「おいしい」という方もいますが、身が少なく食用にはあまり向きません。

通常、ツノダシは単独か2~3匹で生活していることが多いですが、まれに大群で行動することもあります。

産卵場所はよくわかっていませんが、卵は浮性卵で、稚魚は長期間にわたり浮遊して過ごします。

野生では細長い口をうまく使ってサンゴに隠れている海綿や小エビ、藻などを食べています。
とにかく雑食性ですので、飼育の際には餌の種類に困ることはないでしょう。

ツノダシの飼育方法


ツノダシは水温や水質の変化に敏感であり、餌付けが難しい魚ですので、飼育はやや難しいといえます。

気質についてもデリケートで、飼育環境の変化が原因で餌を食べなくなったり、白点病などの病気に罹りやすくなったりしてしまいますので、注意が必要です。

ツノダシを入れる人工海水は比重計の数値が1.020~1.030になるようにきっちりと濃度を合わせましょう。

作りたての人工海水には魚の飼育に不可欠な微生物がいませんので、ツノダシを飼育する前にスズメダイなどのパイロットフィッシュを泳がせ、排泄物を利用して微生物を定着させておくとより安心です。

ツノダシが暮らしやすい水温と水質に安定させるためには、ヒーター・クーラーと強力なフィルターは必須アイテムです。
水槽の大きさに見合ったものをご用意ください。

ツノダシは雑食ですが餌への食い付きがあまりよくありません。与える餌は数種類用意しておきましょう。
人工飼料だけではなく、アサリやエビなどの生餌もストックしておきたいところです。

水槽環境

ツノダシは25cmほどの大きさまで成長しますので、水槽は最低でも60cm、できれば90cm以上のものを用意してください。

水温は22~25℃を維持してください。温度が高くても低くても、ツノダシにとってはとても大きなストレスになってしまいますので、ご注意を。

また、野生のツノダシはサンゴ礁で生活していますので、サンゴ砂などを敷いて身を隠すための石を設置してあげてください。

水槽の環境が整っていても、初めてツノダシを入れる際にはしっかりと水合わせをしましょう。
水質と個体の状態がばっちりでも、水あわせを怠けると次の日には死んでしまうこともあります。

混泳にお勧めの魚

ツノダシはおとなしい性格の魚なので、同種でも他種でも混泳は可能です。

ただし、あまり大きい魚と混泳させると、追いかけまわされたりつつかれたりしてしまうこともありますので、ツノダシよりも少し小さいか、同じくらいの大きさの魚と混泳させるとよいでしょう。

120cm以上の大型水槽で飼育される場合は、ツノダシの複数飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
群れをなして優雅に泳ぐ様は、見惚れること間違いなしです。

また、白点病への対策としてホンソメワケベラなどのクリーナーフィッシュと混泳させるのもおすすめです。

餌付け

個体差もありますが、ツノダシは餌付くまでに手間のかかる魚です。
購入したショップで餌付けされていれば、お店と同じ餌を使ってみると餌付く可能性は高いでしょう。

お店で餌付けされていない場合、特に飼育しはじめたばかりの段階では、いろいろな種類の餌を用意しておくことをおすすめします。

栄養面や使い勝手が便利な人工飼料で餌付けをしたくなるところですが、食い付きが悪い場合はアサリやブラインシュリンプ、海藻など、とにかくいろいろな餌を試してみてください。

「昨日は食べていたものを今日は食べてくれない」なんてこともありますので、慣れてくれるまで油断は禁物です。

生餌や冷凍餌で餌付けを行い、水槽での生活に慣れてきたら人工飼料に徐々にシフトしていくのもよいでしょう。

ツノダシはほかの魚よりも食べるスピードがゆっくりなので、混泳している魚に横取りされてしまうようなら、餌を多めに入れるかスポイトなどを使って直接口元に餌を撒いてみて下さい。

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ハタタテダイとの違い

ツノダシとよく似た魚で、ハタタテダイという魚がいます。

両者はぱっと見の形がそっくりなので間違われやすいですが、ツノダシはスズキ目ニザダイ亜目ツノダシ科に分類され、ハタタテダイはスズキ亜目チョウチョウウオ科に分類されているように、生物学的な分類からまったく別の魚です。

とてもよく似ているツノダシとハタタテダイですが、よく見てみると違いがあることがわかります。

中でも一番わかりやすいのは尾びれの色で、ツノダシは黒、ハタタテダイは黄色ですので、慣れてくれば一目で見分けられるでしょう。

また、ツノダシは口吻にやや丸みがあり黄色の模様があるほか、目の位置がやや高いなどの特徴があります。

関連記事:ハタタテダイの飼育は白点病に注意!飼育に適した水槽環境と混泳魚、大きさは?

価格

ツノダシの値段は、安いものだと1,500円ほどで手に入ります。
高くても5,000円ほどの予算を見ておけば大丈夫でしょう。

ネットショップでは比較的安価で売られていますが、やはり個体の状態を自分の目で確認できる店舗販売で購入することをおすすめします。

特に外国産のツノダシは輸送のときにキズが付いたり、ストレスで餌を食べにくくなっていたりしますので、飼育難易度は上がります。

まとめ

ツノダシは餌付けの難しさから飼育難易度のやや高い魚ですが、一度ご自宅の水槽環境に慣れてしまえば長期飼育も夢ではありません。

ただし、環境の変化によるストレスには弱いので、水質・水温を安定させるようにしてください。

また、混泳させる魚の数や種類も急に変えないほうがよいでしょう。

なにはともあれ、ツノダシはきれいで迫力のある形状や鮮やかな色合いなど、見ていて飽きない魚ですので、手間がかかっても飼育する価値アリです。ぜひその優雅な姿に見惚れてください。