ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳、共存は可能?飼育のポイントと捕食について

ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳、共存は可能?飼育のポイントと捕食について


アクアリストにとっての天敵である「苔」。
この苔取り役として多くのアクアリストが導入する定番種といえば、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビでしょう。

これら2種類のエビの苔取り能力に差はあるのでしょうか?
この記事では、両者の共存の可否や飼育のポイントに触れつつ、苔取り屋としての働きぶりについてご紹介します。

両者の特徴については別記事で紹介しています。

関連記事:抜群の存在感が人気のヤマトヌマエビの飼育は簡単?混泳、餌、水質は?

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ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳は可能?


(ヤマトヌマエビの画像1)
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳ですが、結論から言うと可能です。

成体の体長はヤマトヌマエビの方が大きくなりますが、だからと言ってミナミヌマエビを襲ってしまうようなことは基本的にはありません。

しかし、性格には個体差があるため、稀に両者間でちょっかいを出し合うことがあります。

また、ヤマトヌマエビはミナミヌマエビの稚エビを捕食してしまうことがあるので、繁殖させたいならば混泳は避けた方が無難でしょう。

苔対策のために飼育するのであれば、特に問題ありません。

混泳のコツ


(ミナミヌマエビの画像1)
両者の混泳ですが、魚の混泳と同じように考えればよいでしょう。

まずは隠れられる場所をたくさん設けてあげることがポイントです。

基本的に性格は穏やかですが数が多くなると共食いの危険があります。

これを回避するためには水草をたくさん植えたり、レイアウト用の石組みを利用したりすると効果的です。
また、エビ用の多孔質のセラミックろ材も便利です。

隠れ家として水草を植える際は種類に注意が必要です。

柔らかい水草だとエビたちが葉を食べて枝だけになってしまうので、硬い葉のものがおすすめです。

たとえばウィローモスであれば葉が硬く、手軽に育てられて隠れ家にもなるので是非使ってみましょう。

水槽に苔が生えていると苔を食べてくれますが、苔がなくなると水草を食べてしまったり、餓死したりしてしまうので、水槽サイズと環境を考慮して導入してください。

繁殖させつつ混泳させるのであれば、さらにひと手間が必要になります。

自然界のヤマトヌマエビの幼生は汽水域(河口付近など、海水と淡水が混ざり合う場所)で成長します。
そのため、ヤマトヌマエビが抱卵したら別の水槽に隔離しましょう。

幼生が孵化し始めたら海水の70%程度の塩分濃度になるように飼育水を調整してください。塩水では水草は枯れてしまうので入れないようにします。

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ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの飼育に適した水温と水質


(ヤマトヌマエビの画像2)
ヤマトヌマエビもミナミヌマエビも日本の川に生息しているエビなので、水温については常温で問題ありません。

ただ、夏場などに水温が高くなると水槽内の酸素濃度が下がって窒息してしまうので、涼しい場所に水槽を設置するか弱めにエアレーションをするなどの対策が必要です。

繁殖を狙うのであれば、冬場はヒーターを入れてあげましょう。
水槽内が冷えすぎないように気をつければ、1年中、産卵させることもできます。

水質については、ヤマトヌマエビは中性~弱アルカリ性、ミナミヌマエビは弱酸性~弱アルカリ性が適しています。

また、エビの仲間は基本的に水質の変化に非常に敏感ですので、水換えはこまめに行うようにしてください。

水換えの際は新しい水を一気に水槽に注がないように注意しましょう。
点滴法などでゆっくりと水を合わせながら換水してください。

また、日頃から水槽内のpHやアンモニア濃度をこまめに測定して調整するようにします。
特にアンモニア濃度については高くなりすぎないようにしっかり管理しなければいけません。

オススメの水草

柔らかい葉の水草は食害に遭いやすいので、ミクロソリウムやアヌビアス類などの陰性の水草や、アマゾンソード、ウォーターウィステリアなどがおススメです。

ウィローモスも葉が細かく、隠れ家にもなる上に食害に遭いにくいので、レイアウトに取り入れるといいでしょう。

ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳で気を付けたいこと


(ミナミヌマエビの画像2)
水槽の大きさに対して導入するエビの数が多いと共食いをする可能性があります。
数が多いと、隠れ家を設置してあげたとしても共食いは起き得ますのでご注意を。

飼育する個体の数についてよく言われているのは、ヤマトヌマエビなら60cm水槽に10匹、ミナミヌマエビなら20匹が上限です。

ヤマトヌマエビとミナミヌマエビを同時に入れるならば、それぞれの数を調整してあげてください。

どちらのエビも見た目が慎ましやかなので、水槽全体のレイアウトを崩してしまうことはほとんどありませんが、あまりにも多く導入すると主役の魚を目立たなくしてしまいます。

レイアウトを考える際には、すべてのエビが水草などの影に隠れられるようにすることもポイントです。

稀に気性の荒いエビが魚にちょっかいを出したり、集団で襲って怪我をさせたりすることもあるので、エビの数が多くなりすぎないように注意してください。

混泳は基本的に魚ともエビともうまくいきますが、上記のような特定の条件下では例外があることを心得ておきましょう。

捕食に注意

様々な種類の魚を飼育している水槽に対して苔取り役としてエビを導入する場合、混泳している魚からの捕食に配慮してあげましょう。

ヤマトヌマエビは比較的大きくなるため捕食されることは少ないですが、比較的体の小さい雄や成長しきっていない個体は襲われやすいので注意が必要です。

ミナミヌマエビは成体でも2cmほどしかないので、ヤマトヌマエビよりも注意してあげなければなりません。

捕食されないようにするためには隠れ場所を多く作ったり、混泳している魚が空腹になったりしないようにこまめに餌を与えることが重要です。

また、捕食する側である魚にストレスを与えないように飼育することもポイントです。

メダカとの混泳

メダカは比較的小型なので、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビを襲って食べてしまうことはありません。
メダカと混泳させる場合はスイレンや水草を一緒に入れてあげるとお互いに落ち着けるのでおすすめです。

ただ、稚エビをメダカが食べてしまったり、反対にメダカの卵をエビが食べてしまうことはよくあります。

繁殖を狙っているならば、卵や稚エビを隔離するなどの対策をしておくべきでしょう。

比較的大きく成長するヤマトヌマエビはメダカの稚魚を襲ってしまうことがありますので、ある程度大きくなるまでは別の水槽で育ててあげたほうがよいでしょう。

まとめ

苔取り要因として飼育されることが多いヤマトヌマエビとミナミヌマエビですが、それぞれに魅力があります。

「観賞用」として、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビを混泳させたいと考える方もいるとは思いますが、大人しいとされている両者も混泳となると、それなりに注意点があります。

特に水槽サイズや個体の導入数、隠れる場所等はよく考えてあげなければなりません。

ですが、これらのエビは仕草がとてもかわいらしく、苔を取ってくれる実用性以外にも見ているだけで癒される存在です。
正しい知識で飼育し、ぜひその魅力を味わってください。